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巌窟王を復讐鬼から周回鬼にするために

スカサハ=スカディによるQuickバフおよびNPチャージを利用した周回用のシステム(システムについての説明は前記事を参照)のアタッカー枠として、現在では多段ヒットQuick全体宝具を持つサーヴァントが注目されている。 比較的よく話題になるQuick全体宝具サーヴァントを以下に示す。

隠しステータスを含むため、ご注意ください。

サーヴァント クラス 宝具ヒット数 N/A (NP rate)
アタランテ 10 0.50
パールヴァティー 4 1.08
ワルキューレ 7 0.86
ランスロット 10 0.50
巌窟王 8 0.62

ここでは、システムのアタッカー枠として汎用性が高い 巌窟王エドモン・ダンテス に注目する。 システムにおけるエドモンの特徴は以下の通りである。

  • 相性不利を考慮する必要がないアヴェンジャークラス
    • 相性不利は敵としてほとんど出現しないムーンキャスター
      • ただし、これは相性有利な相手が少ないということでもある
    • クラススキルにより 毎ターンNP3%獲得
  • NP獲得量アップ(3T)を持つ
  • 全サーヴァントで4番目の高攻撃力
  • 宝具強化済
  • 礼装およびマスター礼装の自由度が高い

特に最後の礼装・マスター礼装の自由度の高さが魅力であり、これはシステムの構築難度を低くするだけでなく、敵構成やイレギュラーへ高い対応力を持つことを意味する。 (ただし、エドモン自体を用意する難度は高いかもしれない。)


NP獲得量の計算

各waveにおいてNP50%(実際はNP49%でも)獲得することができればシステムを構築することができる。 また、宝具のみで必要分を確保することができればシステムの実現から運要素を除くことができる。 そこで、宝具のみのNP獲得量を計算することにする。

NP獲得量は以下の式によって計算される。

\begin{align} \text{NP獲得量} = \text{NP rate} &\times \{ \text{カード補正} \times \text{順序補正} \times ( 1 + \text{カード性能アップ} + \text{1stカード補正} \} \\ &\times ( 1 + \text{NP獲得量アップ} ) \\ &\times \text{OverKill補正} \\ &\times \text{クリティカル補正} \\ &\times \text{敵クラス補正} \\ &\times \text{ヒット数} \end{align}

ここで、各補正は以下の通りである。

名称 補正値
カード補正 Buster:0.0, Arts:3.0, Quick:1.0
順序補正 1st:1.0, 2nd:1.5, 3rd:2.0
1stカード補正 Buster:0.0, Arts:1.0, Quick:0.0
敵クラス補正 狂:0.8, 殺:0.9, 騎:1.1, 術・月:1.2, それ以外:1.0
OverKill補正 1.5
クリティカル補正 2.0

また、宝具によるNP獲得量を計算する場合には順序補正および1stカード補正は考慮されない。

では実際のNP獲得量を示す。

OverKill
発生回数
術・月 それ以外
8 17.86 20.09 24.55 26.78 22.32
7 17.11 19.25 23.53 25.67 21.39
6 16.37 18.41 22.51 24.55 20.46
5 15.62 17.58 21.48 23.44 19.53
4 14.88 16.74 20.46 22.32 18.60
3 14.14 15.90 19.44 21.20 17.67
2 13.39 15.07 18.41 20.09 16.74
1 12.65 14.23 17.39 18.97 15.81
0 11.90 13.39 16.37 17.86 14.88

この表は 敵1体あたりのNP獲得量 である。

ここで、OverKill発生回数はOverKill補正を受けた攻撃が何回発生したかを表している。 すなわち、OverKill発生回数0はOverKill補正を受けていないことを表し、OverKill発生回数7は2ヒット目以降でOverKill補正を受けていることを表す。

敵が3体の場合

表より、騎・術・月に対してはOverKill補正なしで必要なNP獲得量を達成できる。 また、騎・術・月以外に対してはマスター礼装「魔術協会制服」を用いることで確実に必要分を確保できる。 OverKill補正を加味する場合、狂:3ヒット目以降、殺:5ヒット目以降にOverKillが発生するのであればマスター礼装を自由に設定できる。

敵が2体の場合

これは主に2wave目を想定している。

システムで利用することを考えると、各waveでエドモンが達成すべきNP獲得量は46.01である。 クラススキルにより毎ターンNP3%を獲得することができることと、NP99%時の特殊な挙動によるためである(なぜかNP99.01%以上では小数点以下が切り上げられる)。 したがって、要求される敵1体あたりのNP獲得量は 46.01 / 2 = 23.01 (23.005)である(あくまで平均的には)。

表より、何の補助なしにNP獲得量23.01を達成することは実用上難しいことがわかる。 したがって、「カルデア戦闘服」のオーダーチェンジを利用した控えサーヴァントによるNP付与、「魔術協会制服」の霊子譲渡によるNP付与、「2004年の断片」のコード:HによるNP獲得量アップ、etc...が要求される。

システム利用時は操作数の観点から、極力オーダーチェンジの使用を避けたい。 オーダーチェンジを除くと最も条件が緩くなるのは「魔術協会制服」の霊子譲渡を利用する方法である。 霊子譲渡によりNP20%を獲得できるため、エドモンが達成すべきNP獲得量は 26.01 / 2 = 13.01 (13.005) である。 したがって、狂以外の相手に対しては確実に必要なNP獲得量を確保することができ、狂相手であっても6ヒット目以降にOverKillが発生すれば必要分を確保できる。

また、2wave目が敵2体である場合、一方のみ高HPであることが多く、一方からのOverKill補正を得ることができない可能性もある。 その場合には、中〜低HPの方の敵から 46.01 - 20 - 11.90 = 14.20 のNPを獲得する必要がある。 これを達成するのは、6ヒット目以降でOverKillが発生する時であり、先ほどの条件と同じである。 つまり、「魔術協会制服」であれば一方が高HPであっても難なく対応可能であることが示されている。

「魔術協会制服」を使用する際の注意点として、火力方面の補助を行えないことに留意すべきである。 NP獲得量については多くの場合で達成できるが、対処可能な敵HPは他のマスター礼装と比較して低くなる。 敵HPによっては最速ターンで突破できるかどうかはカード運に左右される場合もあるため、後述する宝具火力を把握しておく必要がある。 ケースバイケースであるが、基本的に2wave目は確実に突破できるようにスカサハ=スカディの防御デバフを駆使することを推奨する(2wave目を1Tで突破できない場合、3wave目でQuickバフが消失してしまうため)。

時点で有効なのは「2004年の断片」によるNP獲得量アップを使用することである。 基本的にNP獲得が必要かつ敵が2体であるのは2wave目だけであることが多いので、NP獲得量アップは1Tだけでも問題は少ない。 また、後述するが「2004年の断片」は宝具威力アップも付与することができ、エドモンの宝具火力を大きく上昇させることもできる。

「2004年の断片」のNP獲得量アップバフを加味したNP獲得量

OverKill
発生回数
術・月 それ以外
8 23.81 26.78 32.74 35.71 29.76
7 22.82 25.67 31.37 34.22 28.52
6 21.82 24.55 30.01 32.74 27.28
5 20.83 23.44 28.64 31.25 26.04
4 19.84 22.32 27.28 29.76 24.80
3 18.85 21.20 25.92 28.27 23.56
2 17.86 20.09 24.55 26.78 22.32
1 16.86 18.97 23.19 25.30 21.08
0 15.87 17.86 21.82 23.81 19.84

狂相手の場合は、1 hit 目で OverKill が発生するなら必要分を確保できる。 しかしながら、そのような場面はそう多くないと思われるので相手が狂である場合には素直に別のマスター礼装にするのが無難である(幸い、バサカならエドモンでも弱点倍率で攻撃できるので)。 狂以外の相手の場合には敵HPと宝具火力との兼ね合いによって実現可能かを判断すべきである。


宝具火力

次に、対応可能な敵のHPを見積もるために宝具火力を示す。 ダメージ計算の解説を始めると本記事が膨大な量になってしまうため、ここでは取り扱わない。 どうしても気になる場合には攻略wikiダメージ計算に関するTogetterなどを参照されたい。

システムの基本形である限界突破済みカレイドスコープ(Lv.100)、フォウくんによる攻撃力補正+1000での宝具火力を以下の表にまとめる。 ここで、天地人相性補正は1.0で計算している。 また、ダメージ計算には0.9〜1.1の乱数が発生するため、下限と上限の両方を示す。

宝具Lv 防デバフ使用数 ダメージ下限 ダメージ上限 ダメージ下限
自バフ使用
ダメージ上限
自バフ使用
0 45587 55666 68380 83499
1 1 59263 72366 82056 100199
2 72939 89066 95732 116899
0 56983 69583 85475 104374
2 1 74078 90458 102570 125249
2 91173 111332 119665 146124
0 62682 76541 94022 114812
3 1 81486 99504 112827 137774
2 100291 122466 131631 160737

このダメージはシステムの最小構成要素におけるバフ・デバフのみを考慮して計算されたものである。 そのため、マスター礼装およびオーダーチェンジを利用した他サーヴァントによる補助を視野に入れることで、ダメージは更に増加する。 ちなみに、最もダメージが増加するマスター礼装は「2004年の断片」であり(高倍率の宝具威力バフをかけることができるため)、表中の数値の1.5倍ほどダメージが増加する。

必要に応じてスカサハ=スカディの防御デバフを付与することで、幅広い敵構成に対応することができる。 敵HPがこれよりも高い場合には、残った分を通常攻撃ダメージで賄う必要がある。 残った分がスカサハ=スカディのQuickカード2回分で間に合う量であれば、カード運に依らず3Tで周回可能である。 そうでない場合には多少なりともカード運に左右されることになる(だからこそ、運要素を何とか排除できないかということで水着BBを検討した)。


まとめ

さて、以上のことからエドモンをアタッカーに据えたシステムが実用上有効であることが示された。 また、システムの基本構成を変更せずとも、マスター礼装を付け替えるだけで大半の場面に対応できることを確認することができた。

要点を以下にまとめる。

  • (敵が3体なら)基本的にシステムは成立
    • 火力面ではマスター礼装「2004年の断片」が最も有利
  • (敵が2体なら)マスター礼装「魔術協会制服」でほぼ対応可能
    • ただし、カード運に左右されるケースが増加
      • 極力2wave目は1T突破できるようにバフ・デバフを駆使する

本記事が周回勢に役立てば幸いである。